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動画作成:向田 隆

2016年04月05日

寺修行体験 後編

お寺での就寝。

久しぶりに9歳の娘と隣同士で寝た。
自宅ではもう別々に寝ている。
相変わらず、長女は寝相が悪い。
深夜2時すぎだろうか?
長女が天井を指差し、「あっ、いた!」という。
「ん?何がいた??」と聞くと、返事はない。ただの寝言のようだface07
お寺やから何か怖い・・・icon196
一応、指差した方を見てみたが、誰もいるはずはなく、隣の部屋からはゴウ氏のゴーゴーといういびきが聞こえるのみ。

私は二度寝が出来ないので、それからずっと朝まで起きているface04
本を読もうにもあかりがないので読めないので、お寺をウロウロし、ipadの電波が入るところを探す。

朝5時に正式に起床。
部屋を強引に明るくして、ゴウ氏とあさひを起こす。
すでに私は起床から4時間。お寺の中の誰よりも早い起床だろう。
半分、寝かけのあさひも冷たい山の水で顔を洗い、朝護摩と座禅の準備をする。
寺修行体験 後編



外は雨が降っている。
昨日からの雨が強くなり、傘がないと外にはいけない様子。
傘を副住職にかり、まだ暗い中を本殿がある山の上に上がっていく。
寺修行体験 後編



4月に入ったとはいえ、国東半島の山の中の朝はまだ少し肌寒い。
副住職のあとに続き、本殿に入る。

まずは座禅である。
暗い本殿の片隅で3人座禅の準備に入る。
両足ともにふくらはぎの上におく本当の座禅は身体の硬くなった私たちには物理的にムリなので片方の足だけふくらはぎの上にあげる。
これでも身体の硬い私にはきつい。

副住職より「無」になるのは非常に難しいので、呼吸を数えて気持ちを整えてくださいと説明がある。
吸うとき1、2、3、吐くときは1、2、3、4、5、6と倍数える。
姿勢をただして背筋を垂直にする。
目は半眼といい、うっすらと開ける。

開始・・・

寺修行体験 後編



本殿の中の朝の張り詰めた空気の中、
奥からゴウ氏、あさひ、私の3人が静かに呼吸を整える。

途中、私は一瞬、「無」になったかと思ったが、意識が遠のき寝ていたようだface04
それにしても、何もしない時間、何も考えない時間というのは難しい。
食べ物のこと、仕事のことなどなど次々に頭に浮かんでくる・・・face07

30分後ぐらいだろうか、副住職が1人1人の前に立ち、棒でパシパシと背中を叩く。
これぞ、座禅だ!
コリをほぐす意味があるらしく、叩かれても痛くはない。
寺修行体験 後編



そうやって、我々3人の「無」には到底なれない座禅が終わり、
次は朝のお勤めの「朝護摩」だ。
昨日、一生懸命書いた「写経」をここで焚き上げしてもらう。

火がつくと寒かった本殿が一気に暖かくなり、焚き火感覚でいる私はこれまた俗っぽいんだろう。
寺修行体験 後編


寺修行体験 後編


ゴウ氏もあさひも炎に照らされながら真剣な表情だ。

朝護摩が終わると、
副住職が中国のお寺と国東半島との関係、宇佐神宮との関係、太宰府との関係などのお話をしてくれた。
なぜ我眉山という名前がこの寺についているのか?などの疑問があったので私は興味深かったが、
中国人のゴウ氏には地名がなかなか理解できずに半分しか分からなかったと言っていた。
※余談だが、この日のあさひの日記には「お坊さんの話はちょっと長すぎる」と書いてあった(笑)

そして、いよいよ、最後の修行、「朝ごはん」。
副住職と4人で食べる朝ごはんはこちらだ。
寺修行体験 後編



ごはん、おかずを食べるときは必ずお椀を持つ
すべて感謝の気持ちで残さず食べる
正座で無言で食べる(これは言われなかったが、そういう雰囲気だった)
お茶とたくあん1枚はとっておく

いただきますの言葉をみんなで唱えたあと、食事開始
寺修行体験 後編


まずは、1つの皿に小鳥や動物たちに分け与えるごはんをまっさらな箸の状態で入れる。

きちんと正座をし、
もくもくと箸を動かし、
無言で食べる。

あさひはまずは一番苦手な梅干を口に入れる。
無論、食べないといけないのかなどという、迷いはない。

おかゆとおかずを交互に持ち、しーんとした中、食は進む。

しーん。face06
まずは副住職がお茶とたくあん1枚を残し、すべてを食べ終わる。
次に私がお茶とたくあん1枚を残し、食べ終わる。
次にゴウ氏がお茶とたくあん1枚を残し、食べ終わる。

あさひのお膳にはまだ半分以上のお粥とみそ汁とおかずが少しある。
あさひも黙々と無言で食べる。

あさひが食べ終わる間は、3人は正座をして動かない。
無言でじっとしているのが作法のようだ。

ゴウ氏がこちらをちらっと見る。
そして、モゾモゾしている。
足が痺れているのか、だけど我慢せいと目で合図をする。

ゴウ氏はまだモゾモゾ。
あさひはモクモクと食べる。


ゴウ氏はモゾモゾ。
あさひはモクモク。


ゴウ氏はモゾモゾモゾモゾ・・・・・・


モゾモゾモゾモゾモゾモゾ・・・・・・



ゴウ氏「すみません、トイレ行っていいですか?」icon41



face07
副住職face04「はい、どうぞ」
あさひ、もくもくと無言で食べる。



そして、ようやくあさひもお茶とたくあんを1枚残した状態で食べ終わる。face02

副住職「はい、では、それぞれのお椀にお茶を均等に注いでください」
お茶をそれぞれのお椀に均等に注ぐ。

副住職「ごはんのお椀から順番にたくあんできれいにお椀を洗っていってください」
たくあんでお椀を洗う。

副住職「洗いましたら、お茶を全部、みそ汁のお椀に集めてください」
集める。

副住職「集めましたら、そのお茶を飲んで下さい。それで終わりです。」
face08face08face08
驚いたが、3人とも何も言わずに言われたとおり飲み干す。

そして、ご馳走様の言葉を唱えて、朝ごはんは終わり。
寺修行体験 後編




副住職「あさひちゃんは偉かったですね、小学生の合宿なんかのときは今の最後のお茶が飲めずにオエーッとえづいたりする子が多いんです。これは決して残飯ではありません。昔、洗剤などがなかったとき、自分のお椀は自分で管理するというときの名残なのです。」
と、あさひは褒められる。

それに対して、
副住職の心の声(私の想像)「トイレにたつ人は初めてみたface07
とゴウ氏は・・・・・

作法にのっとった朝食も終わり、
部屋を片付け、副住職にお別れの挨拶をして下山。

雨も小降りになっている。

終わった~

車に乗ったあさひはすぐに隠して持っていっていた煩悩セットのドーナツを食べていた。


(終)


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