故郷の海へ その2
予定より遅れること2時間、基隆郊外の港でHさん夫婦、妹さん夫婦、葬儀屋さん、私たちスタッフ、漁船の乗組員が集結。
パスポートを海上警察に提出し、船まで警察官が人数と顔のチェックに来て船が出発。
外国人を船に乗せるのは密航などの関係でやはり厳しいのだろう。
船は魚釣り用のクルーズ船だ。横にあったイカ釣り漁船でなくてよかった・・・
心配していた波もそれほど高くない。
船はまっすぐ基隆島まで進む。
基隆島は基隆のシンボルなのでそこの近くで散骨をするのがいいだろうと葬儀屋さんの配慮だ。
基隆島までは片道40分ほどかかった。
最初は穏やかだと思っていた波も島に近づくにつれ、波もだんだん高くなる。
エンジンを止め、船長が船尾から散骨をしたらいいと言う。
Hさんと妹さんで船尾よりお母さんの骨を基隆の海へ帰す。
はるか向こうには基隆の港がみえる。
海は深く濃い青が広がる。
Hさんのお母さんの希望した基隆の海への散骨が無事果たせた。
合掌
散骨を終え、港へ戻る。
綺麗な日の入りと一仕事を終えた張のおっさんのような満足気な笑顔が印象的だった
(終)
関連記事