最後のカリブ海クルーズ

タカ

2015年07月13日 08:29

今日はお別れの会。
うちの会社創設以来、いや、私のサラリーマン時代からずっと私のお客様でいてくれ、世界各地を一緒に旅行をしたYさんが先週亡くなった。

北京、上海、大連、青島、チベット、タントン張家界、広州、黄山・・・・など中国各地、韓国、香港、台湾、タイ、シンガポール、フィリピン、タンザニア、ミャンマー、モンゴル・・・・
いったい、何ヶ国何都市そして何回一緒に行ったろう。
Yさんは足が悪く、松葉杖だった。
そんなことは気にせず、旅行に参加されるYさんが好きだった。

歩きが多い観光地ではバスの中で待ってるからといつも単行本を持っていた。
では待ってる間にどうぞと私はいつもビールを差し入れしていた。(笑)
Yさんは観光地を周るよりも夜の宴会が好きだった。
免税店でウィスキーや日本酒を仕入れ、それを持ち込みちびりちびりと飲んでいた。
とりわけ日本酒が好きだった。
酒好きでそしてとても強かった。
宴会が終わったあとは部屋に集まって飲むのも好きだった。

ビデオカメラとかデジカメとか最新の電化製品を持つことが好きだった。
ラサに行く途中のチベット鉄道で標高5000mを超えるあたりで気圧の関係でその最新式のビデオが壊れた。それも今ではいい思い出だ。
張家界の山頂の素晴らしい景色を見てもらおうと思い、
歩けないから麓で待っているというYさんを無理やりガイドと私とかかえて運んだ。体重が重いので(笑)フーフーいいながら上までいったが・・。
上についてから一緒にみた景色の素晴らしさはなんとも言えなかった。
タントンに行ったときは途中のドライブインで1元の安い白酒を買って飲んで気持ち悪くなって、私のスーツに吐いたYさん(笑)
モンゴルではゲルに泊まって、外にテーブルを出して夜いつまでも飲んで満天の星空を飽きることなく見てた。
タンザニアでもサファリを朝から晩までした・・
たくさんの思い出が蘇る

そして二年前のオランダ旅行が最後になった。
そのあとガンということが分かり、今までしょっちゅう会っていたのに会えなくなった。

今年の二月にたまには飲みませんか?と思い切って誘ってみた。
よく旅行にいくOさんとYさんと私と3人で飲んだ。
車椅子で入れる居酒屋ということでYさんの友人の居酒屋を選んで個室にしてもらった。
久しぶりにみたYさんは別人のように痩せていたが、元気そうだった。
相変わらず飲んだ。
ビールでのどをうるおし、私が差し入れした紹興酒を1本、ワインの赤、白1本ずつ。
元気やん、Yさん、元気、元気、安心したと私は言ったのを覚えてる。

「8月に家族でクルーズに行きたいから、段取りして」
とそのときに頼まれた。

言えないけど、最後の旅行と思ってるなと感じた。

次の日から資料を取り集め、段取りを開始した。
しばらくたってカリブ海クルーズに行こうということになった。

でも、病は待ってくれなかった入退院を繰り返し、良くなったり、悪くなったり・・・
「ちょっと待って、今、入院しとうっちゃん、いやいやたいしたことないよ、よくなると思う」
電話ではそう話してた。

そのとき、空飛ぶドクター坂本先生のことを聞いた。
海外旅行に一緒に行ってくれるという医者だ。
先生が書いた本「医師と行く諦めていた夢が叶う本」を早速買って一日で読んだ。
次の日、坂本先生に連絡をとって、空いている日に会って話をしたいと頼んだ。
それと同時にYさんにも先生の本を送った。
夢を諦めてほしくなかった。

何とか最後の夢を叶えたかった。
8月に家族とカリブ海クルーズをしたいという夢。

でも8月を待たず、Yさんの訃報を先週の金曜日にきいた。
間に合わなかった・・・
今日はそのYさんのお別れの会。

たくさんのありがとうを言って、最後の別れをしよう。

ありがとうございました。世界のYさん。




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