オルドス漫遊記 その3

タカ

2018年07月28日 11:29

オルドスでの短い夜があけた。
まだ、みんなは寝ている中、昨夜は暗くてわからなかった外を散歩してみる。
昨夜、我々のお腹に入っていったであろうヤギたちの皮が並べてあり、命をいただいたことに感謝をする。
モンゴル族の家はトイレは外に作るらしい。
家から離れたところにただ穴を掘っただけのトイレがある。
畑にはとうもろこし、じゃがいもなどが植えてある。




タナさんのお父さんと弟さんは酒に酔ったままウロウロしており、
お母さん、お嫁さんは家事をしている。

弟さんが、酒で目が座ったまま、「魚釣りに行こう」という。
こんな状態で池に行くのも怖かったので丁重にお断りする。
お父さんが、酒で目が座ったまま「白酒を飲もう」という。
こんな状態の人とさしで飲むのも怖かったので丁重にお断りする。

この親子は寝ないで飲み続けることができるらしい。
あとでお父さんは飲みすぎとタナさんに怒られ、
弟さんは嫁さんにまわし蹴りをされていた。
モンゴルの女性も強いもんだ。

朝7時にヤギの解体をするという話だったので、見てみたい人だけ起きた。
だけど、ヤギの解体できる従兄が昨晩4頭解体して疲れたらしく、帰って行ってしまって中止。
せっかく起きたので、ビールでも飲もうと庭にイスを出して早朝ビアガーデンを開く。
ビールは数本でよかったのだが、お父さんが倉庫から2ケースも出してくる。
チーズをつまみに冷えてないビールを飲む、朝の空気が清々しい。
モンゴル族の人々も常温のビールを好むらしく、私が冷凍庫にビールを入れていたら怪訝な顔をしていた。




旧館で白酒の空瓶と一緒に横たわっていたM山会長も起きてきて、
みんなで聖地に行こうという。ここらの集落のモンゴル族の聖地でタナさんも懐かしい場所だということ。
到着すると、建物をまわり、石を拾い、そこの建物にあげて願い事をお祈りしたり、
牛乳をかけてお祈りしたりする。
私は「旅行中、スチンタナさんが時間を守りますように」と切実な願いをしておいた。
その聖地は丘になっており、はるか遠くまで見える。
あそこのヤギはうちのヤギよ。と数km先の点点を指さしながらタナさんは言う。




タナさんの実家の土地は広い。
しかし、来年にはもうここに実家はないという。
オルドスの地下資源開発が進む中、タナさんの家も例外ではなく立ち退きを迫られたという。
中国での立ち退きは絶対的なものだ。
今まで大草原の中で暮らしてきた人々がマンションに住めるのだろうか?

昼食もヤギが出てきた。
ヤギがダメだというM氏のために豚肉も出てきた。
タナさんは目の座ったお父さんと優しそうなお母さんと一緒にリビングでヤギを食べていた。
次帰ったときは、もうこの実家はない・・・

タナさんはこの実家での最後の家族の団らん。
このツアーを企画して本当に良かったとおもった。


M氏のための豚肉









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